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S級コーチ養成講習会 前期レポート②

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S級レポート前期①では、監督とコーチの役割の違いについて触れました。今回は、「役割」についてさらに踏み込んで考えてみましょう。

私たちは日常的に様々な場面で役割分担をしますが、プロサッカーチームでも同様です。コーチングスタッフには、監督・ヘッドコーチ・コーチ・GKコーチ・フィジカルコーチ・分析担当コーチなどがいます。それに加えて、ドクターやトレーナーなどのメディカルスタッフなどもいて、それぞれが役割分担で仕事をしています。
分担のメリットは、「責任の所在が明確」になり、「専門性が発揮しやすい」点ですが、一方で「分担以外には無関心」にもなりがちで、「分担の境界が仕事の切れ目」になってしまう恐れがあります。
良い監督は、スタッフ全員が専門を発揮し、気持ちよく目標に向かって仕事ができる環境を整えます。そして、専門性の境界によって仕事がぶつ切りにならないよう、上手に流れを生み出します。日の当たらないスタッフにイキイキと職務に当たってもらう、それも監督の仕事です。そして何より、自分と意見の違うスタッフ、自分より専門性の高いスタッフをそばに置く勇気こそ、成功するリーダーの条件だと思います。

#S級ライセンス #監督の仕事 #専門性 #役割分担

S級コーチ養成講習会 前期レポート①

今年も、日本サッカー協会S級講習会で10時間ほどの講義・実技を担当しております。S級は国内最上位の指導者ライセンスであると同時に、「Jリーグ監督」の必須ライセンスでもあるため、A級までとは異なり「監督」としての側面を強調しているのが特徴です。
コーチと監督、一体何が違うのでしょうか?コーチはその語源(長距離バス)のとおり、選手個々を成長させることが1つの大きな役割だと思います。いっぽう、監督は英語でManager(マネージャー)、つまりマネジメントする立場だということが分かります。
そうなると、役割の違いは明確です。コーチは選手の成長を手助けし、監督はチームの舵をとるわけです。もっと簡単に言えば、監督には「決断」と「責任」が伴うのです。
次節に向けて選手選考をじっくりと「決断」することもあれば、勝利を引き寄せるために一瞬で選手交代を「決断」することもあります。そして決断に対しては「責任」を負うという過酷なサイクルです。
Jリーグ監督は、選手・クラブ・スポンサー・サポーター・メディアなど、常に大きな重圧下での決断が連続します。その状況に耐えて良い仕事をするコツは、感謝・謙虚さ・信念を持ち合わせていることではないでしょうか。

#S級ライセンス #監督とコーチ #決断と責任

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